前日
FX比を計算します。
ヒストリカルボラティリティの算出には、レートそのものではなく、前日比を利用します。
今回のデータは、下に行くほど新しい
FXデータになっているので、
一番上のデータをA6/A5として、これを一番下までコピーします。
「当日÷前日」とすることによって、
その日が
FX前日に比べてどれくらい上昇または下降したのかが、
率で算出されます。
ヒストリカルボラティリティを算出します。
STDEVP関数を使って、
外国為替ヒストリカルボラティリティを計算します。
この関数はSTDEVP()の()の中に入れた集団(数字の集まり)の、
標準偏差を求める関数です。
標準偏差は、為替ではヒストリカルボラティリティのことだと思ってください。
ですので、この関数の括弧の中に、
今回算出した2002年3月4日から2007年3月4日までの前日比を全て入れれば、
ヒストリカルボラティリティが算出されることになります。
「ZAR/JPY」や「前日比」のセルの色付けなどは、
好みで見やすくしてください。
STDEVP関数の()内は、
前日比の最初(B6)から最後(B1831)を指定します。
これをパーセント表示にすれば、
1日あたりのHVが算出されます。
しかし、通常リターンである金利は、
年利で考えますので、HVも年換算します。
統計学では年間の営業日には250日(または260日)を使うのが普通です。
ヒストリカルボラティリティの場合、
「250の平方根」をかければ年換算されることになります。
これをエクセルで計算するには、
=STDEVP(B6:B1831)*SQRT(250)
と入力します。
以上でヒストリカルボラティリティの算出は完了です。
セルをパーセント表示にするには、
パーセント表示するセルを選択して、ツールバーの「%」マークをクリックするか、
右クリックして「セルの書式設定」から「表示形式」のタブを開いて、
「パーセンテージ」を選択して「OK」をクリックします。
セルの書式設定を開く方が、
小数点以下の桁数まで指定できるので、いいかもしれません。
ZAR/JPYのHVは15.03%となりますが、
これはかなり大きな変動率になります。
こうやって出したHVには、以下のことが言えます。
・年間±15.03%の範囲内に68.3%の確率で収まる
・年間±30.06%の範囲内に95.4%の確率で収まる
この確率は統計学上そうなっていると覚えておくといいと思います。
収まる確率(68.3%、95.4%)は、為替に限らず、
どんなデータを入れても、同じになります。
HVが大きい通貨は、
スワップ派にとってはそれだけリスクが大きい通貨だということになります。
このようにして通貨ペアのHVが計算できれば、
その通貨の金利がリスクにみあっているかを数値で確認することができます。
ただ、HVはその名前のとおり、
過去のデータから未来を予測するものですから、
必ず今後もこのボラティリティになるということではありません。
歴史上起こらなかったような事件が起きれば、
統計学的にもほとんど起こりえない確率の変動幅になることもあります。
今回紹介した算出方法で出した各通貨のHVを、
「ヒストリカルボラティリティ比較表」に掲載しています。
どうしても算出方法が難しい!という人は、
メインの通貨のHVはここを参照してもらえればと思います。
相関係数ってなに?
*このページの情報は2008年09月24日時点のものです。
NZドル/円と豪ドル/円は似たような動きをしているなー、
と感じたことはないでしょうか?
実はたいていの通貨ペアには相関性があって、
豪ドル/円が下がっているときはNZドル/円も下がっている、
ということがよく起こります。
これ以外にも微妙な相関関係というのは沢山あります。
このようにどれくらい相関性が高いか?ということをあらわすパラメータに、
相関係数というものがあります。
この係数は-1から1までの数値で表され、
-1なら全く逆の動き、
0なら全く無関係な動き、
1なら全く同じ動きをします。
たとえば、上の例でいうと、
NZドル/円と豪ドル/円は、
似たような動きをしているように感じます。
この2つの通貨ペアの相関係数は、
0.85となっています。
(検証期間は2003年9月24日から2008年9月24日です。)
符号がプラスになっているので、
順相関(または正相関)ということになり、
NZドル/円が下がっている時は、
豪ドル/円も下がっている傾向がある、
ということが数値で確認できます。
(計算方法は次の「相関係数の算出方法」で説明します。)
逆相関の度合いが0.85は、かなり強い部類に入ります。
相関係数は絶対値が大きいほど強い相関を持つことを表しますので、
0.5より0.85の方が強い順相関性を見せるということになります。
この負号がマイナスの場合は逆の動きがどれくらい強いのか?をあらわします。
逆相関の場合は、同時に買いポジションを建てておくと、
高い分散効果が期待でき為替リスクをヘッジできます。
この場合は符号がマイナスになるので、
逆相関(または負相関)と言います。
このように、2つの通貨ペアの相関係数がわかれば、
分散効果の高い組み合わせが数値でわかります。
HVと相関係数を考慮してポートフォリオを組めば、
リターン(金利)は下げずにリスクだけ低減することも可能です。
相関係数が0の場合は、
2つの通貨ペアが全く無関係に動いていることを示しますが、
相関係数0の組み合わせを同時に保有しても、
かなりの分散効果を期待できます。
それでは、次のページでは、
相関係数の計算方法について説明したいと思います。
相関係数の算出方法
*このページの情報は2008年09月24日時点のものです。
それでは、相関係数の算出方法を説明します。
HVのときと同じく、
ここでもエクセルを使って計算します。
今回は2002年3月5日から2007年3月5日の検証期間で、
ニュージーランドドル/円と米ドル/円の相関係数を算出します。
(検証期間の日付はやや古いですが、計算方法自体は全く陳腐化していませんので、
2008年9月24日現在も全く同じ手順で進めることができます。)
データを取得します
「ヒストリカルボラティリティの算出方法」で説明した方法で、
ニュージーランドドル/円と米ドル/円の、
2002年3月5日から2007年3月5日のデータを取得します。
当然ですが、相関係数を算出する際のデータは、
両通貨ペアで全く同じ検証期間にしなければなりません。
相関係数を算出します
エクセルのCORREL関数を使って、相関係数を算出します。
CORREL関数は、2つの集団(数値の集まり)の特性の関連性を判断することができます。
たとえば、集団1に各地の平均気温、集団2に各地のエアコンの普及率を入れると、
この2つの相関関係を調べることができます。
今回はニュージーランドドル/円と米ドル/円なので、
CORREL(ニュージーランドドル/円のレート,米ドル/円のレート)
という風に指定します。
HVのときとは違い、前日比ではなく、
レートそのものを指定します。
これで、ニュージーランドドル/円と米ドル/円の相関係数は、
-0.41と算出されました。
-0.41という数値は、ニュージーランドドル/円と米ドル/円の間に、
逆相関性があることを示していて、
同時にロングすれば、かなり分散効果を期待できます。
HVの算出よりも、相関係数の算出方法の方が簡単かもしれませんね。
このようにエクセルを使って、
金融工学のパラメータを算出するのは、
リスクヘッジを行う上でかなり有効になります。
なるべく自分で算出できるようにすることがベストですが、
どうしても難しくて自分では算出できない!という人は、
「相関係数比較表」にメインの通貨ペアは掲載しておきましたので、
そちらを参照してもらえればと思います!
2つの通貨ペアを合計したヒストリカルボラティリティの算出方法
*このページの情報は2008年09月24日時点のものです。
ここまでで、
1つの通貨ペア単独のヒストリカルボラティリティの算出方法を説明しました。
ですので、
ユーロ/円は7.12%、
英ポンド/スイスフランは5.45%、
というようなことが、過去のデータからわかるようになりました。
しかし、これだけだと、
ユーロ/円と英ポンド/スイスフラン単独のヒストリカルボラティリティはわかっても、
ユーロ/円と英ポンド/スイスフランを一緒に保有したときに、
結局ポートフォリオ全体としてのボラティリティがどれくらいになるのかがわかりません。
そこでここでは、
2つの通貨ペアを合計したヒストリカルボラティリティの算出方法を説明します。
ただし、ここで説明する方法では、
2つの通貨ペアまでしか合計できません。
3つ以上は少し複雑になるので、
ここではワンクッション置くために、
とりあえず2つの通貨ペアを合計したボラティリティの算出方法を説明します。
HV、相関係数を算出します
「ヒストリカルボラティリティの算出方法」、「相関係数の算出方法」で説明した方法で、
各通貨ペアのHVと相関係数を算出します。
ここでは、2002年3月5日から2007年3月5日の、
ニュージーランドドル/円と米ドル/円を検証します。
(検証期間は少し古いですが、
2008年9月24日現在でも算出方法は全く同じ手順でできますので大丈夫です。)
投資比率を追加します
2つの通貨ペアにどれくらいの比率で投資するかが関係してきますので、
投資比率を入れておきます。
この投資比率はあとでいじりますので、
ここではとりあえず0.5つづにしておきます。
上の画像のように、
片方を入力すると、自動的にもう一方が計算されるようにしておくと便利です。
2通貨ペアを合計したHVを算出します
最後に、2通貨を合計したヒストリカルボラティリティを算出します。
ただ、ここが若干ややこしいのですが、
以下は公式として、こういうもんだと思っておいてください。
Aが通貨ペアA、Bが通貨ペアBと考えてください。
これをエクセルに数式として入力する場合は、
SQRT((AのHV*Aの投資比率)^2+(BのHV*Bの投資比率)^2
+2*相関係数*AのHV*BのHV*Aの投資比率*Bの投資比率)
となります。かなりややこしいですね(汗)
これで、投資比率を考慮した、
ニュージーランドドル/円、米ドル/円のHVを合計したHVが計算されました。